年別アーカイブ: 2011年

USB-RGB/D2 を使用したマルチモニタ環境 (Mac OS X 10.7)

2013/11/25 追記
OS X 10.9 Mavericks で使用する場合は「USB-RGB/D2 の Driver アップデート (Mac OS X 10.9)」を参照。

2012/5/14 追記
Mac OS X 10.7.3 に対応した Driver にアップデートすることで問題が解決しました。
詳細は「USB-RGB/D2 の Driver アップデート (Mac OS X 10.7)」を参照。

2012/2/16 追記
Mac OS X 10.7.3 にアップデートしたところ問題が発生しました。
詳細は「Mac OS X 10.7.3 での USB-RGB/D2 (Mac OS X 10.7)」を参照。

2011/12/1 追記
11/11 に 1.7 Beta 5 Driver がリリースされました。

デスクトップ (CentOS 6.0) でマルチモニタ環境を使用していますが、それになれてくると、MacBook Air (Mac OS X Lion) でもディスプレイが複数欲しくなることがあります。

(*) デスクトップについては「CentOS 6.0 でのマルチモニタ設定 その2 (CentOS 6.0 64bit)」を参照

これまでは「Apple Mini DisplayPort - DVI アダプタ」を使って外部ディスプレイを1枚つないでいましたが、MacBook Air late 2010 単独ではこれ以上ディスプレイを追加できません。

そこで USB 接続できる外付けグラフィックアダプターを試してみることにしました。
購入したのは「I-O DATA USB-RGB/D2」です。

1. USB-RGB/D2 の 最新 Driver 入手

(*) USB-RGB/D2 は Driver インストール前に接続しないようが良さそうです。

1.1. Mac OS X Lion 用 Driver

I-O DATA の公式サイトを見る限り、現時点で USB-RGB/D2 は Mac OS X Lion (10.7) をサポートしていません。
付属している Driver も Snow Leopard (10.6) までのものしかなく、32bit のみの対応となっています。

このままでは使えないため、USB-RGB/D2 に組み込まれているチップを調べてみたところ、DisplayLink 社の DL-195 が使われているようです。
まだβ版ですが Lion 用 Driver も公開されていましたので、これをインストールすることにしました。

1.2. Driver のダウンロード

DisplayLink 社のサイトから「Support」-「Mac Software」を選択すると Driver のダウンロード画面に遷移します。
画面下部にある Mac 1.7 Beta 4 Driver 用の「DOWNLOAD DRIVER」ボタンを選択して、次画面で「Mac 1.7 beta 4 release.zip」リンクをクリックすると Driver をダウンロードできます。

20111114_01 20111114_02

(*) 本日時点の最新は 2011/9/9 版、ファイルサイズは 2,484,743 byte でした。

2. Driver インストール

2.1. インストーラの起動

ダウンロードした zip ファイルを解凍してできたディスクイメージ「DisplayLink Installer 1.7b4.dmg」をマウントします。

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「DisplayLink Software Installer.pkg」を実行してインストーラを起動し、「続ける」ボタンを選択します。

20111114_04

2.2. 使用許諾契約

使用許諾契約を一読し、問題なければ「続ける」ボタンを選択します。
その後に「同意する」ボタンを選択します。

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2.3. インストール先の選択

インストール先を指定し、「インストール」ボタンを選択します。

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再起動が必要な旨のダイアログが表示されるので、「インストールを続ける」ボタンを選択します。

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2.4. 再起動

インストールが完了すると再起動が促されるので、「再起動」ボタンを選択します。

20111114_09

3. USB-RGB/D2 の設定

3.1. ディスプレイの配置

Driver のインストールに成功していれば、再起動後に USB-RGB/D2 に接続したディスプレイが認識されます。
ディスプレイ配置は「システム環境設定」-「ディスプレイ」の「調整」タブから変更することが可能です。

20111114_10

  • 上左 : 「USB-RGB/D2」に接続した 23インチモニタ (1920x1080)
  • 上右 : 「Mini DisplayPort - DVI アダプタ」に接続した 23インチモニタ (1920x1080)
  • 下  : MacBook Air 標準の 13インチモニタ (1440x900)

3.2. ディスプレイの接続

[USB-RGB/D2] ----- HDMI ----- [ディスプレイ1 (1080x1920)] (上左)
[Mini DisplayPort - DVI アダプタ] -----DVI-D ----- [ディスプレイ2 (1920x1080)] (上右)
[onboard HD4200] ------------------- [ディスプレイ0 (1440x900)] (下)

(*) USB-RGB/D2 とディスプレイ1の接続は DVD-D - HDMI 変換ケーブルを使用しています。

3.3. ディスプレイの回転

赤び~の環境では USB-RGB/D2 に接続しているディスプレイ1を縦置きにしています。
しかし、回転設定を行うことができませんでした。(ディスプレイ設定に「回転」項目が存在しない)

(*) Lion 対応 Driver がβ版であることが原因かもしれません。。。

4. USB-RGB/D2 に接続したディスプレイの回転

このままでは不便ですので、USB-RGB/D2 に接続したディスプレイを回転させるツール「Display Rotation Menu」を導入します。

4.1. Display Rotation Menu のインストール

「Download Now | It's FREE!」リンクを選択し、ダウンロードしたファイル (DisplayRotationMenu_1.2.zip, 81,996byte) を解凍します。
「Display Rotation Menu.app」をアプリケーションにドラッグすると、Display Rotaion Menu のインストールは完了です。

4.2. Display Rotation Menu の設定

Display Rotaion Menu を起動するとメニューバーにアイコンが追加されますので、アイコンをクリックし、「Display Rotation Preferences...」メニューから設定ダイアログを呼び出します。

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設定ダイアログで「Start on Login」にチェックを入れると、次回以降は起動が不要になります。

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4.3. ディスプレイ の回転

Display Rotation Menu が起動している状態で「システム環境設定」-「ディスプレイ」を起動すると、先ほどまでなかった「回転」項目が表示されています。
ここで回転方向を指定することで、縦置きしたディスプレイを USB-RGB/D2 で使用可能です。

20111114_13 20111114_14

5. USB-RGB/D2 の使用感

USB 接続の外付けグラフィックアダプターということで、YouTube で動画を表示すると CPU 負荷が非常に高くなります。
Mission Control での画面切り替え時も、他のディスプレイに比べて表示がワンテンポ遅れる & カクカクアニメーションします。

もっとも想定していた使い方 (ブラウザによる Web の参照、プレビューでの資料参照) では必要十分な性能でした。
スクロール時等、画面の再描画範囲が大きい場合は瞬間的に CPU 負荷が高くなることもありますが、接続しているディスプレイ内で操作を行っていない時は、導入前に比べて CPU 負荷に変化は見受けられませんでした。

¥6,500 前後という価格を考慮しても、導入する価値はあると思います。

20111114_15

[ END ]

CentOS 6.0 でのマルチモニタ設定 その2 (CentOS 6.0 64bit)

CentOS 6.0 でのマルチモニタ設定 その1 (CentOS 6.0 64bit)」からの続きです。

2. AMD (旧ATI) Graphics Driver の設定

2.1. マルチディスプレイ構成

CentOS 6.0 へのバージョンアップと同時に、デュアルディスプレイ環境をマルチディスプレイ (トリプルディスプレイ以上) 環境に変更すべく、ビデオカード (SAPPHIRE HD6450 1G DDR3 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA) を増設しました。
オンボードの Radeon HD 4200 ではディスプレイ2枚までしか対応できないからです。

その前段階として、以下のようにディスプレイを接続して環境構築を行っています。

[SAPPHIRE HD6450] ----- HDMI ----- [ディスプレイ1 (1920x1080)]
[onboard HD4200] ----- DVI-D ---- [ディスプレイ2 (1280x1024)]

将来的にはそれぞれにディスプレイを1枚ずつ追加する予定です。

(*) この構成がトラブルの元でした。。。

2.2. Catalyst Control Center の起動

ディスプレイの配置は Catalyst Control Center から設定します。
「アプリケーションランチャ」の「アプリケーション」から「設定」-「AMD Catalyst Control Center」を選択します。

20111015_01

左メニューの「ディスプレイ マネージャ」を選択すると、接続しているディスプレイを確認することができます。
HD 6450 に接続しているディスプレイ1 (左図) は認識していますが、HD 4200 に接続しているディスプレイ2 (右図) は「未知のディスプレイ」となっています。

ディスプレイ1 (HD 6450 に接続) ディスプレイ2 (HD 4200 に接続)
20111015_02 20111015_03

ディスプレイ2 を有効にするために、「未知のディスプレイ」の右上をクリックし、「マルチディスプレイ」から「単一ディスプレイ デスクトップ (マルチディスクトップ)」を選択します。

変更内容 変更後 (要 BIOS設定)
20111015_04 20111015_05

X を再起動してもディスプレイ2 が有効にならない (右図のように「未知のディスプレイ」のまま) 場合は、BIOS を変更する必要があります。

2.3. BIOS 変更

Catalyst Control Center で設定しても、増設した HD 6450 と onboard の HD 4200 のいずれか片方しか有功とならない場合は、BIOS が排他設定となっている可能性があります。

M3A785GMH/128M の場合、デフォルトは増設したビデオカードが有功となる設定であったため、両方を同時に使用可能となるように設定しました。

20111015_06

変更内容

  • 「Share Memory」を「Auto」以外に変更 (今回は「512 MB」を指定)
  • 「Surround View」を「Enabled」に変更

このマザーボードでは、「Share Memory」が「Auto」の場合は「Surround View」は有効にならないという制限があるので注意が必要です。

(*) この制限事項が分からず、数日悩みました。
(*) マニュアルの和訳から漏れていた (英語のマニュアルには記載があった) ことが、今回の最大のトラップでした。。。

2.4. BIOS 変更後の再設定

BIOS 変更後に Catalyst Control Center を起動すると、ディスプレイ2 が今度は認識されています。

20111015_07 20111015_08

ディスプレイの配置を変更したい場合は、該当のディスプレイをドラッグすることで任意の配置に変更することが可能です。

20111015_09

ディスプレイの配置が決まったところで、左メニューの「モニターオプション」-「Xinerama」から Xinerama を有効にします。

20111015_10 20111015_11

X を再起動して、すべての設定は完了です。

3. 画面イメージ

すべての設定が完了した時の画面イメージです。
右が HD 6450 (増設ビデオカード) に接続しているディスプレイ1 (1920x1080)、左が HD 4200 (onboard) に接続しているディスプレイ2 (1280x1024) です。

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現在はもう一枚ディスプレイを追加し、トリプルディスプレイとしています。

HD 6450 (増設ビデオカード) に、2枚目のディスプレイを縦 (1080x1920) に接続しています。
1280x1024 のディスプレイ2 はディスプレイ1 の上に移動しました。

左下は MacBook Air、右下は iPad2 です。

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ピグ中

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ディスプレイの接続

[SAPPHIRE HD6450] --+-- HDMI ----- [ディスプレイ1 (1920x1080)] (中央)
  +--DVI-D ----- [ディスプレイ3 (1080x1920)] (左)
[onboard HD4200] ----- DVI-D ----- [ディスプレイ2 (1280x1024)] (上)

ディスプレイの設置

ディスプレイの設置には、4画面対応のモニタアームを使用しました。

4画面設置可能な
モニタアーム
1画面設置可能なモニタアーム(左)と
追加用アーム(右)

[ END ]

CentOS 6.0 でのマルチモニタ設定 その1 (CentOS 6.0 64bit)

先日、Domain-0 (Xen の ホスト) を CentOS 5.6 から CentOS 6.0 にバージョンアップし、仮想化環境も KVM に移行したのはお伝え済みですが、マルチモニタ設定関連で悩んだのでその備忘録です。

悩んだのは以下の2点です。

  • Graphics Driver のコンパイルエラー
  • オンボード Graphics Chip と 増設したビデオカードの同時使用

(*) 前者は前回構築時の作業手順をメモっていれば回避できました。。。

1. AMD (旧ATI) Graphics Driver のインストール

M3A785GMH/128M に搭載されているオンボード Graphics Chip は AMD 785GRadeon HD 4200 です。
後述する増設ビデオカードも Radeon HD 6450 と同じ AMD (旧ATI) Radeon シリーズなので、AMD から Graphics Driver (Display Driver) をダウンロード及びインストールします。

1.1. Graphics Driver Radeon HD シリーズのダウンロード

AMD の Graphics Driver ダウンロードサイトから HD 4200 と HD 6450 の Graphics Driver (Display Driver) をダウンロードします。

ダウンロード時に指定した項目は次の通りです。

Step 1: 「Desktop Graphics」
Step 2: 「Radeon HD Series」
Step 3: 「Radeon HD 6xxx Series PCIe」
Step 4: 「Linux x86_64」

Step 3 で 「Radeon HD 4xxx Series PCIe」を選択してもダウンロードできるファイルは同一でしたので、ここでは「Radeon HD 6xxx Series PCIe」を選択しています。

20111014_01

Step 5 の「Display Results」アイコンを選択すると、ダウンロード画面に遷移します。
インストールしたタイミング (9/3) では Rev. 11.8 でしたが、9/28 に最新の Rev. 11.9 がリリースされたようです。

(*) 不自由を感じていないため、現時点でバージョンアップはしていません。。。

20111014_02

「Download」リンクを選択すると Graphics Driver (Display Driver) のダウンロードが始まります。
ファイル名は ati-driver-installer-11-8-x86.x86_64.run で 75,754,239byte でした。

1.2. 必要パッケージの確認

Graphics Driver (Display Driver) をコンパイルするためには、少なくとも下記のパッケージが必要となります。

  • kernel-headers
  • kernel-devel
  • gcc
  • libdrm-devel

rpm -qa または yum list installed でパッケージのインストール有無を確認してください。

以下は yum list installed での確認例です。

# yum list installed | grep kernel
abrt-addon-kerneloops.x86_64
dracut-kernel.noarch   004-33.2.el6_0   @updates
kernel.x86_64          2.6.32-71.el6    @anaconda-CentOS-201106060106.x86_64/6.0
kernel.x86_64          2.6.32-71.29.1.el6
kernel-firmware.noarch 2.6.32-71.29.1.el6
# yum list installed | grep gcc
libgcc.x86_64          4.4.4-13.el6     @anaconda-CentOS-201106060106.x86_64/6.0
# yum list installed | grep drm
libdrm.x86_64          2.4.20-2.el6     @anaconda-CentOS-201106060106.x86_64/6.0

1.3. 必要パッケージのインストール

不足しているパーケージを yum コマンドでインストールします。

# yum install kernel-headers kernel-devel gcc libdrm-devel

~ 略 ~

Installed:
  gcc.x86_64 0:4.4.4-13.el6
  kernel-devel.x86_64 0:2.6.32-71.29.1.el6
  kernel-headers.x86_64 0:2.6.32-71.29.1.el6
  libdrm-devel.x86_64 0:2.4.20-2.el6

Dependency Installed:
  cloog-ppl.x86_64 0:0.15.7-1.2.el6     cpp.x86_64 0:4.4.4-13.el6
  glibc-devel.x86_64 0:2.12-1.7.el6_0.5 glibc-headers.x86_64 0:2.12-1.7.el6_0.5
  mpfr.x86_64 0:2.4.1-6.el6             ppl.x86_64 0:0.10.2-11.el6

Complete!

1.4. インストーラの起動とインストール

ダウンロードしたファイルに実行権を付与し、インストーラを起動します。

# ls
ati-driver-installer-11-8-x86.x86_64.run
# chmod a+x ati-driver-installer-11-8-x86.x86_64.run
# ./ati-driver-installer-11-8-x86.x86_64.run

Options には「Install Driver 8.8.81 on X.Org 6.9 or later 64-bit」を選択し、「Continue」ボタンを選択します。

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使用許諾は一読し、問題なければ「Agree」ボタンを選択します。

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インストールモードには「Automatic」を選択し、「Continue」ボタンを選択します。

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しばらくするとインストール完了画面に遷移します。
インストールログの出力場所が表示されています。(ここでは「/usr/share/ati」配下)
「Exit」ボタンを選択するとインストーラは終了します。

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1.5. インストールログの確認

このインストーラ、困ったことに Driver のコンパイルに失敗してもメッセージを出してくれません。
インストールが正常に完了したかどうかは、別途インストールログを確認する必要があります。

(*) このログのチェックを怠った (忘れていた) ため、約1日悩みました。。。

インストールログは /usr/share/ati 配下の fglrx-install.log です。

# ls /usr/share/ati/
KernelVersionList.txt  amdcccle  drv.list            km.list       postun_drv.sh  preun_km.sh
LICENSE.TXT            cp.list   fglrx-install.log   lib64         postun_km.sh
amd-uninstall.sh       doc.list  fglrx-uninstall.sh  postun_cp.sh  preun_doc.sh

(*) アンインストーラ (fglrx-uninstall.sh) もここにあります。

インストールログ (fglrx-install.log) の最後が次のようになっていれば、Driver のインストールは成功していると思います。

build succeeded with return value 0
duplicating results into driver repository...
done.
You must change your working directory to /lib/modules/fglrx
and then call ./make_install.sh in order to install the built module.
- recreating module dependency list
- trying a sample load of the kernel modules
done.
[Reboot] Kernel Module : dracut

CentOS 6.0 でのマルチモニタ設定 その2 (CentOS 6.0 64bit)」に続きます。

[ END ]